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1.レコードの登場/05.ゴスペルの誕生

 ジャズは器楽中心(ダンス)、ブルースは歌(ソング)中心で、いずれも、芸人的ショー音楽として出発したのに対し、ゴスペルは、黒人霊歌(スピリチャル)が形式化されて、器楽演奏が加わった物で、20年代から産まれた。ジャズやブルースよりも厳かな宗教音楽である。ジャズやブルースは世俗の生活の中で生まれ、ショービジネスやレコード産業とつながることでポピュラー音楽になったが、ゴスペルは伝統音楽であり続けた。それは黒人のアイデンティティだった。レコード産業やショービジネスは白人が握っている。黒人音楽家が北部に行き、白人を相手にするのは生活のためだ。

 しかしゴスペルは黒人しか相手にはしないし、黒人が支えくれれば、それでいい。ゴスペル・シンガーは巨大の富みを得る必要はないのだ。それは黒人の作り上げた権威だった。霊歌からゴスペルになることで、黒人はさらに教会を大事にし、さらに盛り上がった。最もビッグなシンガーはニューオリンズ産まれのベッシー・スミスだ。ゴスペルは黒人の多く住む南部の中でしか知られなかった。